99レベルになりたくて ~ドラクエのはなし~

旅立

在宅生活が長引く反動で、とてつもなく「旅」に出たくなった。

叶うことなら、旅を終えたときに、自身の成長を感じられるほどの、壮大な旅がいい。

そして、欲をいえば、旅の途中で志をともにする仲間に出会い、一緒に世界を知っていきたい。

こんな想いが抑えきれなくなり、僕はドラクエ11(3DS版)を買った。

これが、2周間前のことだ。

始めてみると、ドラクエ11の世界は、想像を超えて広大で壮大だった。

僕は、勇者の生まれ変わりながら、悪魔の子と呼ばれ、とある国王から追われる身となってしまう。

しかし、勇者を信じる仲間たちと出会うことで、数々の危機を乗り越えていく。

僕の旅は、しばらくの間、特段の努力を不要に進めることができた。

挫折

往々にして、挫折とは、計画なしに物事が順調に進んでいる時にやってくるものだ。

僕は挫折を味わうことになる。

魔王の復活を機として、世界中の魔物が、突如強くなったのだった。

僕は、負けることが多くなり、魔物と戦うことを避けはじめた。

戦いに時間をかけることが嫌になり、なにより負けることが恐くなった。

魔物を避けることで、旅はスピードを取り戻したが、その代償として、倒す必要のあるボスに勝てなくなった。

戦いを避けて、楽を積み重ねた結果、僕は旅を進めることができなくなったのだった。

旅は、いつしか、現実に変わっていた。

弱い自分が浮き彫りになり、悩むことになった。

抵抗

しばらく悩んだ末、最初にとった行動は、より良いアイテムを購入することだった。

装備をより良いものにしたり、戦い方を工夫することでボスを倒すことができないか試してみた。

しかし、結果は出なかった。相変わらず、ボスには太刀打ちできなかった。

僕は、途方にくれた。

そして、3DSをそっと閉じて、旅を終えた。

しばらく、旅のことは考えずに過ごした。とても平穏だった。

再開

再び3DSを開いたのは、数日たったある日だった。

旅の続きを、どうしても見てみたくなった。

続くはずの新しい景色を目にできないことが、我慢できないことに気づいた。

僕は避けていた魔物との戦いを、増やすことにした。
戦いが長引こうと、負けることがあろうと構わなかった。

成長しない自分でいることのほうが、よっぽど恐かった。

戦いを繰り返すことで、おのずと僕のレベルは上がっていった。

そして、レベルが上がるにつれ、戦いに対する恐れは消えていた。
魔物が現れたときに、ビクつく癖もなくなっていた。

自分の努力が、自分を救ったのだった。

とても気持ちが良かった。しばらくして、ボスを倒すこともできた。

いま、僕の目の前には、新しい旅の景色が広がっている。

これが、僕の再スタートだ。

99レベルとは?

ドラクエの最高レベルは99なんだけど、99レベルになったときの能力は、キャラクターによって異なるんですよね。

防御の能力が最後まで低いキャラクターもいるし、魔法が全く使えないままのメンバーもいる。

でも、99レベルなのに弱いキャラクターがいるかというと、そんなことはない。みんな強いんだよなあ。

つまり、他の人と比べて劣る点があったとしても、成長しきった姿は間違いなく強いんです。

たとえば、僕ら自分自身にも99レベルの姿があるとしたら、それはどんな自分でありたいでしょう。

そして、自分の想像する99レベルになるには、どんな努力をすべきだろうか。

うーむ、ドラクエは深い。